
税理士 大河原真吾
東京税理士会麴町支部 登録番号:153981
この記事の執筆者:税理士 大河原真吾
一般家庭の相続税申告とオーナー経営者の事業承継・相続税申告に豊富な経験を持つ。特に土地の相続税評価額の減少と事業承継のスキーム構築を強みとする。出来ることは出来る、出来ない事は出来ないと率直に真摯に、そして適正な料金でお客様に寄り添うことをモットーとする。
初めての税理士との契約、また税理士変更を希望される方の多くの方について割高な報酬を支払いたいと考える人はいないでしょう。なるべく報酬を割安にしたいと考えるのが、経営者の本懐です。時々、交渉により報酬を下げようとする方がいますが、残念ながらそのような交渉では、報酬の割安化の実現は不可能です。
報酬の割安化の実現には、弊所のお客様の多くが、導入されているマネーフォワードのクラウドサービスを導入することで可能となります。本コラムでは、マネーフォワードクラウド会計、マネーフォワードクラウド経費、マネーフォワードクラウド債務支払いの3つのサービスの説明と報酬の割安化の関係を説明します。
目次
(1)マネーフォワードクラウド会計
マネーフォワードクラウド会計は、日々の取引データを自動で取り込み、帳簿作成を自動化するクラウド会計ソフトです。
主な特徴と効率化ポイント:
- 銀行口座・クレジットカード連携: 銀行やクレジットカードの取引明細を自動で取り込み、仕訳を自動で作成します。これにより、手入力によるミスや手間が大幅に削減されます。この機能は、API連携といい、外部サービスや他システムとデータ連携をおこなう技術です。
イメージとしては、ネットバンキング等のIDとPWを入力し連携するだけで仕訳を作成、登録できます。 - 証票の貼り付け: 作成した仕訳には、請求書等を画像で貼り付ける事が出来ます。
- 自動仕分けルール: 自動仕訳ルールとは、連携サービスから取得した取引明細に対して、自動仕訳ルールを設定すると、取得した明細の勘定科目などを都度修正することなく、仕訳登録が行えます。例えばA社からの入金は、売掛金の入金と設定すると、以降のA社との取引は、売掛金の消込の仕訳が作成、登録されます。
税理士報酬の割安化との関係性:
上記①を税理士に依頼する事が報酬金額増加の要因です。単に税理士側の手間が増えるので当然の事です。銀行口座等と連携し仕訳を作成し、その仕訳毎に請求書等を貼り付ければ、税理士側では、仕訳内容のチェックに手間が掛かりません。尚、自動仕訳ルールの設定は税理士に依頼された方が賢明です。
(2)マネーフォワードクラウド経費
経費精算業務を効率化し、また、経費科目を設定すれば仕訳を作成、登録できるクラウドサービスです。
主な特徴と効率化ポイント
- スマホで完結する経費精算: スマートフォンアプリで領収書を撮影するだけで、金額や日付を自動で読み取ります。これにより、紙の領収書の提出や管理が不要になります。また根拠資料として画像等の貼り付けができます。
- 交通系ICカードとの連携: SuicaやPASMOなどの交通系ICカードの利用履歴を読み取り、交通費精算を自動化します。
- 仕訳の作成と登録: 経費科目を設定し、マネーフォワードクラウド会計と連携すれば、仕訳を作成、登録することができます。
税理士報酬の割安化との関係性:
上記③を税理士に依頼する事が報酬金額増加の要因です。単に税理士側の手間が増えるので当然の事です。経費科目を設定し、画像等を貼り付けマネーフォワードクラウド会計と連携すれば、税理士側では、仕訳内容のチェックに手間が掛かりません。従来のいわゆる領収書ぶん投げのスタイルは、税理士報酬を増やしてくださいとお願いしているようなものです。
(3)マネーフォワードクラウド債務支払い
買掛金や未払金の支払業務を効率化し、また、仕訳を入力すれば、マネーフォワードクラウド会計との連携で仕訳を作成、登録できるサービスです。
主な特徴と効率化ポイント:
- 請求書のデータ化と一元管理: 取引先から届いた請求書をアップロードするだけで、支払情報を自動で読み取り、データ化します。
- 支払業務の自動化: 請求書の情報に基づき、支払いデータや振込データを自動で作成します。これにより、手作業による振込情報の入力ミスを防ぎ、業務負荷を軽減します。
- API連携で振込業務の時間を短縮: 一部の銀行では、イメージとして2クリックくらいで振込データを作成する事ができます。月末の振込業務の時間を大幅に短縮するこが可能です。私自身、API連携による振込を初めて体験したとき大変驚いたのを今でも覚えています。
- 仕訳の作成と登録: 仕訳を登録すれば、マネーフォワードクラウド会計との連携で仕訳を作成、登録できます。
税理士報酬の割安化との関係性:
マネーフォワードクラウド経費等と比べれば、税理士報酬の割安化への貢献は少ないですが、仕訳を入力すれば、マネーフォワードクラウド会計との連携で仕訳を作成、登録できますので、その効果は無視するこができません。ただそれよりも経理がいない、また、経理を採用できない法人にとっては、必殺技のような効果を発揮する点は注目に値します。感覚値ですが、経費削減の効果は、300万円を超えると考えます。
まとめ
今の時代、遠方の顧客に請求書を飛脚に頼んで送付する人はいません。最初は、怪しい、不安だと言いながら、結局は、メール等を活用し請求書を送付する時代になりました。
デジタルツールの進化は、ビジネスのコストを下げ、多くの人に平等にビジネスでの成功の機会を与えます。これを活用しなければ、いつまでも割高な税理士報酬を支払うこととなります。
弊所では、マネーフォワードの導入の実績が多数あり、お客様からも高い評価を頂いております。もちろん多忙の為、領収書等をアップロードする時間がないというお客様のご支援もさせていただいておりますので、是非、お気軽にご相談ください。